日本のメーカーの問題点

 

・社内説明の時間コストが多い

 

企業が大きくなればなるほどなにか行動を起こすのに説得するための人数が増えていく。メーカーでは決断の速さが生死を分けるわけで装置一個購入するのに1年かけて会議に会議を重ねてたら当然そのすきに競合はその装置で1年実験して先んじる。外人と商談するとだいたい日本のメーカーは何を決めるのにも遅すぎると直接ではないものの言われる。しょうがないじゃんもの一つ買うのにも10人以上の人間を説得してからないといけないんだから!

日本企業は会社と社員が終身雇用で一蓮托生になってるので思い切った判断が取れない(リスク回避)のもこれに拍車をかけている

 

・なんでも外注で技術力が蓄積しない

 

なぜ家電メーカーがここまで凋落したか?それは家電は完全な装置産業だから。家電なんて装置買えば中国人だろうがベトナム人だろうが作れる。部品は違う。ある特定の部品を作る装置を量販する装置メーカーなんてのはない。だいたい会社が製造装置を内製してる。だから日本の部品メーカーはまだ競争力が高い。村田製作所とか。あと自動車メーカーなんかはやってることは部品を集めてきて組み立ててるだけだがその部品メーカーの数があまりに多いので参入障壁を高く出来ている。トヨタに部品を納入するメーカーは10万社らしい。

 

話が逸れたけど家電メーカーのように製造という一番重要な部分を外部業者に依存、つまり外注していると結局その外注先が他に装置を売れば簡単にシェアは動く。日本の理系は一般の人が思ってる以上にレベルが低いので設計が出来ない。なので外注に頼って工程管理とかしてお茶を濁すしかないというのが実情である。むしろ、物理モデルを立てたりして1から設計しようとしてる奴は「こいつ博識ぶりやがって。偉そうだな」と叩かれたりする雰囲気まである。自分は一応大手メーカーに勤めてるけどそのレベルでさえ工学的な会話がされてるのはほとんどなく外注をいじめてやった自慢とかがほとんどである。入社時にはDRがどうのとか技術用語が飛び交っていたりして単純な私は感動していたが入ってしばらくするとDRとは自分で設計した装置のDRでなくお買い物した装置のDRで技術用語だと思ってたのはパンフレットに書かれた内容を出ない浅い知識ばかりだった。

 

・技術者のレベルが低い

 

日本のメーカーでの技術者は海外で言う技術者=専門家とは異なる。あくまで「技術系総合職」である。5年ぐらいのスパンでジョブローテーションをくり返すのでそのたびに技術領域が専攻が変わるレベルでガラっと変わり1から勉強になるため正直バカバカしくて技術を磨くなんてことはやってられない。一方海外では日本のような終身雇用でなく事業やプロジェクトごとにコロコロ人を入れ替えるためその都度専門家を雇うという形を取る。なので技術者は例えば溶接なら大学からずっと溶接のことだけをやってきた真の専門家を雇用する。労働者の方も会社に就職するというより専門分野に就職するという形なので一つの分野を深めていける。また、日本の場合技術者であっても30代後半からはマネージメントにつく。技術だけやってる人間は二等兵扱いなので給料は低いまま。大学でそのことを学んだわけでもない、長くても5年しか関わっていない聞きかじりの日本の技術者と大学からずっと何十年もその分野を極めてる海外の真の技術者、どっちが強いかは一目瞭然だ。

 

日本は技術者に対する評価が低いと言われるが、評価が低いというよりできないのである。工学や科学なんてのは極端な場合大学で隣の研究室が何をやっているのかも分からないほど細分化が進んでいる。人事、それどころか技術出身のマネージャーでさえチーム全員の専門性を評価するのは難しい。結果、横並びにせざるをえない。